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導入事例のご紹介 <プロジェクター>

劇団かかし座 様

2013年10月11日掲載

ハイブリッド光源ならではの投映品質で、影絵専門劇団のパフォーマンスをサポート。

劇団かかし座は、日本で最初にできた影絵の専門劇団。創立から60年以上の長きにわたり、独自の手法で影絵の世界を開拓し、多くの作品を生みだしてきた。2012年より、影絵のパフォーマンスにとって必要不可欠となる光源に、グリーンスリムプロジェクターを活用。「たくさんの人々の心に夢を育てたい」という信念のもと、舞台、映像、テレビ、出版などの総合エンターテインメントを発信し続けている。

劇団かかし座スタジオ
劇団かかし座スタジオ

時代とともに、技術進歩とともに。新たな挑戦を、次なる進化へ

舞台部 石井世紀氏(左)と代表取締役 後藤圭氏(右)
舞台部 石井世紀氏(左)と代表取締役 後藤圭氏(右)

 1952年、後藤泰隆(とう たいりう)によって創立された劇団かかし座。当初、NHKの専属劇団として、テレビ放送のための映像制作からスタート。現在では、二代目である後藤圭氏を代表に、多彩な分野に活動の場を拡大。国内外を問わず、精力的な活動を続けている。

 「今年で創業61年になります。その間、影絵も進化を続けてきましたが、それを支える機材も進歩を遂げてきました。当時は、影絵を撮影した大判フィルムを、OHPやスライドプロジェクターを使って投映していました。その後、これらに取って代わったのがデータプロジェクターでした。」

 幅広い映像作品を手がけてきたこともあり、映像機器についてはシビアな目を持ち、もちろん造詣も深い。同劇団の歴史は、映像機器とともに歩んできた歴史でもあるといっても過言ではないだろう。

 「思い切って新しい時代の流れに乗るというのは、ある意味チャレンジングな試みです。しかし、時代性を取り入れようとしない芸能は必ず立ちゆかなくなる。それは、歴史が証明しています。そこでこの際、先駆けてデータプロジェクターに切り替えてしまおうと考えたのが、今から10年くらい前のことでした。」

 初めて購入したのは、2000ルーメン、コントラスト比500:1の液晶プロジェクターだったという。その後、様々なメーカーのプロジェクターを変遷。影絵という用途に最もマッチングする機種を求めて比較検討を重ねるなか、寿命と画質という観点から着目したのがDLP®方式。とくに、ハイブリッド光源を使用したグリーンスリムプロジェクターだった。

 「プロジェクターは、舞台や稽古などで毎日長時間使用します。しばらく使い続けると、光源の性能が落ち、影絵の色が転んでしまうことが多々ありました。そういう意味で、液晶方式よりも発熱などによる劣化の影響を受けにくく、色の再現性に優れたDLP®方式の方が、目的にかなっていると判断しました。さらに、グリーンスリムプロジェクターは、半導体光源でランプ交換の必要もないため、当劇団のようなヘビーユースには、うってつけの一台でした。」

 導入にあたっては、デモ投映を行い、他社製品とも細かく比較。決め手となったのは、締まった黒の発色だった。投映画面の黒と影が創り出す黒、両方を鮮明に見せることは、影絵にとって重要な要素となる。また、黒がしっかりと黒く映し出されることにより、暗転などでスクリーンをブラックアウトさせる際、レンズをシャッターで遮蔽する手間が省けるなど、運用面のメリットも高く評価された。

優れた映像品質と運用性能で、人気劇団の舞台公演を支援

グリーンスリムプロジェクター XJ-A256
グリーンスリムプロジェクター XJ-A256

 劇団かかし座では、2012年に、グリーンスリムプロジェクターを導入。3000ルーメンのXJ-A256(7台)が横浜市のスタジオに、2500ルーメンのXJ-A246(4台)が、下呂温泉・合掌村にある常設劇場「しらさぎ座」に、それぞれ予備機を含めて納入された。現在稼働中のプロジェクター約15台のうち、半数以上を占めており、名実ともにメインプロジェクターとして活躍している。

 基本的な使用方法は、舞台奥から透過スクリーンに向けて投映。パフォーマーが手や人形を使って演技を行うことにより、そのシルエットが大画面に再現されるというもの。さらに、静止画や動画を投映することで、幻想的な世界を創り出すこともでき、影絵を映し出す光源であると同時に、書き割りを映し出す舞台演出装置としての役割も果たす。

2012年の創立60周年記念公演「宝島」
2012年の創立60周年記念公演「宝島」

 「ワークショップのような小さな教室では1台、大きな舞台になると3〜4台を同時に使用します。設置環境は、導入当初はRGB接続で使用していたものの、現在はHDMIケーブルでつないで投映。専属のオペレーターを置かずに、すべて上演中に劇団員たちが自ら操作しています。」と語るのは、舞台部の石井氏。

 劇団歴約20年。人気キャストのひとりとして、今まで数多くの舞台に携わってきた石井氏が、プロジェクターの機種選定で一番重要視したのが、投映距離の問題だった。

 「舞台で使用するスクリーンは、小さいもので120インチ。大きくなると160インチになります。その大画面を4メートルくらいの距離から投映する必要があるため、使用できるプロジェクターは必然的に限られます。その点、グリーンスリムプロジェクターの広角ズームは効果的ですね。また、舞台によっては、縦長などの変形スクリーンを使うこともあり、プロジェクターを90度横に倒して使用できる点も大きな魅力でした。」

 また、半導体光源ならではのメリットとして、ランプ切れがないこと、起動時間が速いこと、電源オフ時のクールダウンが不要なことも指摘。もちろん、ランプ交換のコストがかからないため、ランニングコストも低く抑えられるという点にもメリットを感じているという。

 ひとつひとつの公演が、やり直しのきかない真剣勝負。そのため、質にこだわり、表現の幅を広げ、お客様に楽しんでいただくために全力を尽くす。だからこそ、プロジェクター選びにもプロとして厳しい目を光らせる。そんな想いが伝わってくる。

しらさぎ座での公演風景
しらさぎ座での公演風景

 最後に、劇団の将来について後藤代表はこう語った。「影絵を、アートのひとつのジャンルとして確立していきたい。しらさぎ座のような常設小屋がいくつもでき、日本中の子供たちが影絵で遊べるといいですね。そうなるために、これからも新しいものは積極的に取り入れ、時代に合った活動を続けていきたいと思います。」グリーンスリムプロジェクターには、その要望にこれからも応え続けることが求められている。

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